「夏雪ランデブー」観終わりました。
いやいや…想像していたものとだいぶ違って、
生と死が絡む大人の恋愛模様にドキドキしました

花屋の未亡人・島尾六花、その未亡人に恋をした
アルバイトの青年・葉月亮介、そして3年前に病死した
六花の夫・島尾篤、の3人の不思議な三角関係。

大原さやか様が演じる六花は、可愛らしい未亡人の女性。
結婚を経験した人にある落ち着いた色気っていうのかな。
ベリーショートの似合うそんな愛らしい大人の魅力に、
吸い寄せられたのが、中村悠一氏演じる葉月青年。
若さゆえの勢いで迫ってくる真っ直ぐな愛情表現には、
観ているこちらがドギマギしてしまったわよ

そしてその2人を見つめる亡き夫・島尾を演じるのが福山潤氏。
葉月には六花にまとわりつく幽霊夫が見えちゃったもんだから、
いざこざ恋愛展開に発展していくわけよね。
ま、幽霊を見てもまったく動じない葉月が男前で好きだわ。

最初は葉月の目線で観ていたので、島尾が少々情けない男に
思えてたけど、回を重ねるうちに幽霊の切ない境遇、
心残りがあって成仏できない姿に共感してしまったな…

彼女の隣にいてあげられなかったという後悔や未練、
そしていつも近くにいるのに何もしてあげられない辛さ。
彼女の幸せを願いながらも、自分ではない人と恋愛する姿を
目の当たりにしたら嫉妬するだろうし…幽霊も切ないね


でも、島尾の存在が葉月に見えたから、救われたというか、
「逝かないで。一人にしないで」の言葉に縛られて成仏できず
ひとりぼっちだった島尾の思いに詫びて涙する六花。
そして、それに気づかせてくれた葉月には感謝する六花…。
「店長が許してくれるなら旦那のこと一緒に食べたっていい」
という葉月。身体を貸して島尾がどんな気持ちでいたかを知り、
2人の記憶を共有したことですべてを受け入れようと出た言葉、
なんでしょうね。ま、「旦那の思い通りにさせるか」という反撃?
でもあるのかな。島尾は六花に食べて欲しかったわけだし(笑)
ま、
最終的には丸く収まった三角関係(?)だったのかも。
この作品は、生と死を交えた純愛物語とでもいうのかな。
置き去りにした方、された方。どちらが辛くて悲しいか…。
言葉のひとつひとつが奥深く、綺麗で優しくて胸に刺さる。
夫を失くした傷の深さ。やがて3年経ち寂しさを紛らわす為、
思いを寄せる身近な男にときめき、関係を深めたくなる衝動。
理由など無く、そんな気持ちになること、きっとあるよね

…という
大人の描写が多くて結構ドキドキさせられたな。
男性の背中や喉や眼差し、女性の首筋や息遣いや上目遣い。
色気のある描写(舐めるとか)が丁寧で生々しくて…
もう一度恋しようと思いました。残念ながら主人とですが(笑)
葉月と六花の恋愛が成就した後は一気にラストへ。
約束通り、六花の後を追うように葉月が亡くなったとのこと。
まだ若そうだけど、最後まで二人は幸せに暮らせたんだね。
島尾には「まだ成仏してなかったんか」とツッコミたいけど、
2人が亡くなったこと、孫に部屋の処分を託したことで
やっと成仏できたんでしょうかね。
孫に見せた部屋いっぱいの花畑は島尾が描いた絵の世界。
「おじいちゃんって呼んでごらん?」の島尾の言葉は、
なんだか無性に切なかった。本当なら自分の孫だったと、
自分も孫が欲しかったという彼の気持ちの表れなのかなと…。
長い年月を経て今度こそ彼が成仏できたことを祈ります。
書きたいこといっぱいあるけど長くなるのでおしまい。
この作品は
若い人より大人が共感する恋愛物語ですね。